霊場 賽の磧
亡き人のありし俤しのびつゝ迎えまつらん賽の磧に
當山は海抜1.250米に位置し、日本で有数の高地にある山岳寺院であります。 白鳳時代に山岳仏教の開祖、役の小角(エンノオズヌ)『神変大菩薩』の開山で、とくに地蔵信仰の中心地をなし、賽の磧供養の歴史は約600年前(室町時代)から始まり 又、祈願処としては約一千数百年前になります。 賽の磧は地蔵和讃の中の世界であり、幼少の子供の死んで行く地獄だといわれているところであります。父、母恋しの思いにせめてもの回向のためにいたいけな手に血をにじませ、石で塔を積むという。地獄の鬼があらわれて、その塔を押しくずし、邪魔をして子供たちを追い回す。そこに冥途の父、母たる賽の磧のお地蔵さんが現れ、子供達を衣のそでにかくまって、助けるという霊域であります。 賽の磧はお地蔵様の世界です お地蔵様は願王尊と申上げ、願いに限りのない唯一の御仏で最も親しまれている仏様です。 供養の心は御慈悲です。今の言葉で言えば 愛 に外なりません。幼くして亡くなった我が子に父、母の大いなる 愛 を・・・ 合掌
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